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つるりとしたほぼ正方形のボディ。そこには、本来カメラならばついているはずの“あるもの”がない。そう、シャッターボタンだ。
国際見本市「International CES」では、デジタルカメラの新製品も多数お披露目された。なかでもキヤノンが発表した新製品のコンパクトデジタルカメラ「パワーショットN」は特にユニークだ。
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本体にシャッターやズームのためのボタンがついてない。では、どこで操作するのかというと、レンズの根元についたリングだ。リングを押すとシャッターを切ることができる。つまり、カメラを縦横どんな角度に構えても、シャッターボタンの位置を気にすることなく撮影できるのだ。また、背面の可動式の液晶パネルをタッチすることでも撮影は可能だ。
キヤノンの真栄田雅也常務は「撮り方や構え方を根本から見直した。今までにないアングルで、犬や猫などのペットの目線でも撮影できる。もっと写真を楽しんでほしいというメッセージを込めた」と語る。米国で4月に発売予定で、日本での発売も「追ってすぐ」(真栄田常務)という。米国での価格は299ドル。
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ほかにもユニークなカメラがお目見えした。インスタントカメラでおなじみの米ポラロイド社は、米グーグル社のOS「アンドロイド」を搭載したレンズ交換式のミラーレスカメラを発表。アンドロイド対応のミラーレスカメラは世界初という。
興味深いのは、デジタルカメラのフイルムに当たる画像センサーの位置だ。ブースでは詳細な技術仕様は明らかにされていなかったが、関係者によると「交換レンズに画像センサーを搭載する」というのだ。この説明が本当ならば、後になってカメラ本体を買い替えなくても、新しい画像センサーつきのレンズを買うことで、結果的にカメラの性能を、最新のセンサーがついた状態まで向上できる。