“クラブがスイングを作る”とも言われますので、自分に合わないものを使い続けていては大変です。私の骨幹理論では体の使い方の他に、道具も重要視しています。道具と一口に言っても、クラブだけではなく、ウェアやシューズ、グローブまで身に着けるものすべてです。
クラブでいえば自分のタイプに合わないものを使っていると快適な動きを邪魔されるだけでなく、そのクラブに合わせたスイングになってしまうため不調に陥りやすいのです。
つまり、自分の体に合ったスイングではなく、クラブ主体のスイングになってしまうということなのです。
同じ飛ばし屋で
バランスが違う
たとえばこんな興味深い話を聞いたこともあります。
PGAのダスティン・ジョンソンプロのドライバーのロフトは10.5~11度だそう。パー4をワンオンさせるような飛ばし屋ならもっとロフトの立った、いわゆるハードスペックだろう、と思いきや実際は逆だった……。
またタイガー・ウッズプロのドライバーのスイングバランスはC9(ごく簡単にいえば結構軽く感じるバランス)で、ロリー・マキロイプロはD7(かなり重く感じるバランス)と聞きます。同じ飛ばし屋でこんなにバランスが違うとは不思議ですよね?私は彼らの体のタイプが違うのではないかと推測しています。
またその他にもある〈うで体〉ゴルファーがクラブを変えただけでいきなり飛距離が伸びた、ということがありました。それも、2013年のクラブなのに!性能以上に、自分の体に合っているかどうかが大事。こんな驚きも、当然の結果なのです。
まずは道具を自分のタイプに合わせる、これが大事です。ましてやラウンドでは、毎ショットごとに違う番手のクラブを使い、1打として同じ状況で同じボールを打つことはできません。打っては歩いて、歩いては打って、毎回違うショットを求められます。午前と午後で全然結果が違う、というだけでなくホールごとに大きく違うなんてこともあるでしょう。