26万坪の大量供給の影響で
首都圏の空室率が上昇、4%台に
コロナ禍でのEC関連需要の高まりを背景に、活況が続いていた物流不動産市場に“暗雲”が広がっている。近年の大量供給により需給バランスが緩和し、空室率は上昇傾向。東証REIT指数も物流セクターは下落が見られる。
エネルギーコストの上昇を受けた鋼材価格の値上がりも開発コストの重しとなる。物価高や景気の減速も物流不動産需要には向かい風となる。
不動産サービス会社CBREの調査によると、2022年1~3月の首都圏大型マルチテナント型物流施設の空室率は、対前期比2.1ポイント上昇の4.4%。新規需要は安定しているものの、26万坪の大量供給の影響で、19年以来の高い空室率となった。新規需要は安定しているものの、大量供給との“ギャップ”が存在しているという。
新規供給が集中しているエリアでは、空室を残しての竣工も見られる。「23年にかけての大量供給により、需給緩和の基調に変わりはない」との見方から、空室が長期化しているエリアなどでは賃料の弱含みも予想されている。リーシング需要の高まりを背景に、外資系が物流施設のリーシング事業に参入する例もある。