日本銀行日銀の異次元緩和の柱であるマイナス金利や長短金利操作について世界の中央銀行は必ずしも積極評価しているわけではない。「緩和維持」で日本経済は好転するのか Photo:PIXTA

世界では必ずしも積極評価ではない
マイナス金利やYCC政策

 円安や物価上昇が進むなか、日本銀行は7月20~21日の金融政策決定会合でも超金融緩和政策の維持を決めた。

 決定会合終了後の記者会見で黒田東彦総裁は、「イールド・カーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の金利を引き上げるつもりは全くない」「プラスマイナス0.25%というレンジを変更するつもりも全くない」と語り、金融政策運営を柔軟化させることや見直しは一切排除すると言わんばかりのかたくなな姿勢だった。

 これまで日銀と同様に緩和を続けてきた欧州中央銀行(ECB)が同日、0.5%の大幅利上げに転じ、米連邦準備制度(Fed)が27日に4回目の利上げを決めるなかで、世界の主要中央銀行と日銀の政策の違いは際立っている。

 日銀の政策運営は、海外の中銀の目にはどのように映っているのか。実は日銀の緩和政策の柱となっているマイナス金利政策やYCCについて、海外の主要中央銀行の間で固まりつつある評価は必ずしも積極的なものではない。

 日銀がこのままの金融政策運営を続けて日本の経済が好転することが本当に期待できるのか、は疑問だ。