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コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の旅行編だ。

HIS、近ツー…旅行代理店各社が背負う「3重苦」
前年比1322.5%でも惨状続く

旅行代理店の主要3社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯HIS(エイチ・アイ・エス)の旅行総取扱高
 4月度:前年同月比189.4%(89.4%増)
 5月度:同432.7%(332.7%増)
 6月度:同568.8%(468.8%増)

◯近畿日本ツーリスト(KNT-CTホールディングス〈HD〉)の取扱額実績
 4月度:前年同月比260.0%(160.0%増)
 5月度:同654.1%(554.1%増)
 6月度:同499.6%(399.6%増)

◯阪急交通社(阪急阪神ホールディングス〈HD〉)の総取扱高
 4月度:前年同月比476.0%(376.0%増)
 5月度:同1759.4%(1659.4%増)
 6月度:同1322.5%(1222.5%増)

 6月において、今回取り上げる3社全てが前年実績を大幅に超えた。HISは前年同月比568.8%(468.8%増)と、前年実績の5.6倍以上、近畿日本ツーリストは同499.6%(399.6%増)で、前年実績の4.9倍以上だ。

 そして阪急交通社に至っては、同1322.5%(1222.5%増)で前年実績の13.2倍以上と異次元の実績をたたき出している。

 しかし、これはコロナ禍によって取扱額が大幅に減った前々年からの反動増の影響が大きく、旅行業界を取り巻く環境は依然として厳しい。次ページでは、惨状が続いていることが分かる実態値を確認しよう。