銀行から遺言書作成を勧められたら、3つの「割高落とし穴」に要注意!Photo:PIXTA

お盆の時期こそ考えておきたいのが、「相続」についてです。特に財産額が大きい富裕層にとって、相続は悩みの種。手続きを面倒に感じて、「お世話になっている銀行に任せよう」と思う人も少なくないかもしれません。しかし、きちんと任せる内容を吟味しておかないと、割高な費用を支払うことになり損することも……。銀行で相続について相談する上での注意点を解説します。(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)

お盆こそ考えたい「相続」
遺産でもめないためには?

 もうすぐお盆です。家族で集まる機会も多く、今後のことを話し合う機会も増えるのではないのでしょうか。そんなときだからこそ、考えておきたいのが「相続」です。今回は特に富裕層がつまずきがちな相続の注意点について、お話ししたいと思います。

 前回の記事では、銀行に千万単位の預金があると、投資勧誘を受けることがよくあるとお話ししました。それ以外によくあるのが、遺言作成を勧められることです。

 遺言を作成すること自体は、とても大事なことです。遺言がないために親の死後、子どもたちが遺産を巡って紛糾してしまうケースは多くあります。「お兄ちゃんは生前お父さんから、家を買ってもらっていてずるい! 私はその分多くもらうからね!」という具合です。

 その点、遺言を作成しておけば、家族会議の必要もなく遺産相続が終わります。遺言通りに、遺産を粛々と相続することができるのです。

 今、銀行は、遺言作成業務に力を入れています。銀行の支店の中にあるノボリや壁に「遺言」と書かれているのを見たことがある方も多いと思います。いわゆる、公正証書遺言の作成です。

 ただ、銀行で遺言を作る場合は「三つの点」において割高だということに注意しておきましょう。