米国ホームセキュリティー機器メーカーArlo社のネットワークカメラ米国ホームセキュリティー機器メーカーArlo社のネットワークカメラ Photo by Akiko Wada

現代日本では、高齢者世帯の約半分が一人暮らし。元気に暮らしていても、転倒して骨折したり、脳梗塞になったりすれば、外部に助けを求めることも難しくなる。まだ施設に入ったり、介護が必要だったりというほどではなくても、離れて暮らす親が心配な人は少なくないのではないか。高齢の親をどうサポートすればいいか、孤立死を回避するための要となるのが「見守りテック」だ。今は工事不要で、簡単に導入できるIT製品がいろいろ販売されている。見守りテックのポイントや、どんな製品をどう導入すべきか、筆者の実体験を元に分かりやすく解説する。(テクニカルライター 和田亜希子)

お盆の今、離れて暮らす親のことを
改めて考える

 新型コロナ禍のここ2年、なかなか実家に顔を出せずにいた方も少なくないだろう。久しぶりに帰省したら親のちぐはぐな言動に違和感を覚えたり、雑然と散らかった家の中の状況に不安を抱き、見守りの必要性を感じたりした人もいるかもしれない。両親のうちどちらかが先立てば、残った親が「いざというときに助けも呼べず孤立死」というリスクも発生する。

 そこで提案したいのが「見守りテック」の導入だ。ネットワークカメラや各種センサーで安否確認体制を構築するとともに、スマートリモコンやスマートスピーカーなどを導入し、実家をDIYで「スマートホーム化」する。こうして家電製品の遠隔操作・音声操作を実現すれば、加齢で身体機能や認知・判断力が低下した親の不自由さもいくらかは解消できる。

 家の中と外の重要な接点である玄関にも今、「スマート化」の波が押し寄せている。Wi-Fiでインターネット接続し、スマホで来客応対できる「スマートドアベル」、同じくスマホで施錠解錠できる「スマートロック」だ。高齢者を狙った悪質な訪問販売の対策にもなるし、遠隔解錠できれば、いざというときは近所の人に実家に突入し親をレスキューしてもらうことも可能となる。