コロナ感染拡大した海南島で
一体何が起きたか
南シナ海を挟み、ベトナムと相臨む海南島は、1988年4月26日、正式に海南省としてスタートした。「中国のハワイ」を目指す同省は、避寒地として名高いが、マリンスポーツなどの興隆で、近年、夏にも多くの観光客が殺到する人気の観光地となっている。
特に省内最大の観光都市である三亜市に人気が集中している。しかし、この8月に入ってからは、三亜市も新型コロナウイルス感染拡大と隔離問題で大きく揺れている。
8月1日、三亜市は「新型コロナウイルスによる肺炎確定患者1名を発見した」と通告した。「0801」とネーミングされた今回のウイルス感染拡大は、同市の崖州中心漁港が最初の発症地とみられた。海上で、海外管轄の漁船と海産品の取引を行った漁民が感染してから、漁港を中心に感染が広がったと医療専門家が分析している。
海南省はただちに漁船、漁港、漁民、海産品市場、魚屋に対する調査を強化し、8月4日の時点ですでに全省沿海部の漁民33万人全員に対する1回目のPCR検査を完了した。同時に全省の捕獲作業許可を得た2281隻の漁船に対する管理措置を強化した。4日の時点で、1746隻が帰港し、海上操業を続けている漁船が535隻まで減ったという。
3日夜、三亜市の空港に入るには48時間以内に2回のPCR検査証明が必要で、PCR検査報告には24時間以上の間隔を空ける必要があることを要求する強化措置を打ち出した。しかし、観光客からは「20時間以上かかっても結果が出ないPCR検査所もあるから不可能」との声が上がっている。それでも三亜市は依然としてその強化措置を徹底させている。
しかし、こうした措置は効かなかった。