他人軸というのは、スタートラインが自分ではなく他人であるということがポイントになります。「あの人がああいっているから」というような判断や思考を指します。これは思考が停止していることと変わりなく、他人に振り回されてストレスがたまります。多くの人は気づかないうちに、他人軸の発想をしています。

 一方、自分軸というのは、自分発で考えたことです。自分発で考えたこととはたとえばワクワクすること、損得を抜きにして本当にやりたいこと、どうしても自分はこっちへ行きたい、そういうものを指しています。

 自分軸とは他人軸の反対であると同時に、自分の内発的な気持ちやそれを起点に判断したり行動したりすることです。大きな話である必要はありません。外食をするとしたら、何をどこへ食べに行こうかな、といった自分軸からでよいのです。

 相手が思い通りにいかないから自分がうまくいかない、という考え方は、他人に軸を渡しています。誰かのせいにしたり言い訳したりするのはこの他人軸の影響なのです。自分が主人公となって、相手がどうあれ、自分ならその状況でどうする? と考える自分軸を常に構築しましょう。

 こちらのほうが得だ、出し抜こう、うまいことやろう、こう見られたい、を先手にしないでください。そのやり方では、変化の時代に成功し続けることは難しくなります。自分で本当に納得いくように一歩一歩進んでいきましょう。

 さて、風の時代をうまく生き抜いていくための処方箋3本柱「競争しない」「幅をもって考える」「他人軸にならない」をお伝えしてきました。

 これからの時代は、今までと違ってどうやるかではなく、どういう在り方で、どういう心構えで生きるのかということが大事になってくるのです。