“朝マック”もMcCafé by Baristaも
「1日2回以上の注文」を狙える

 ずいぶん昔、1985年の話ですが、それまで一日中同じメニューを販売していたマクドナルドが朝食メニューを発表しました。

 その当時の日本マクドナルドは、藤田田さんという名物社長が経営していて、戦略についても藤田さんの口からマスメディアを通じて広く伝わるという、ある意味現在とは違う経営スタイルでした。

 その藤田さんがおっしゃったのは、朝食メニューの導入でお客様が1日に2回マクドナルドに来るようになることを狙っているというのです。

 今から考えると当たり前のように思えますが、この考え方は当時画期的でした。1日3食食べるとして、朝、マクドナルドでハンバーガーとコーヒーを注文した人は、ランチや夕食で同じハンバーガーを食べにくることは通常はありません。

「今日、お昼がカレーだったから、夜はカレー以外のほうがいいよな」というのと同じです。

 ところが朝、マックマフィンを食べた人は、夜、ひょっとするとビッグマックを食べたいと思ってまたマクドナルドに来る可能性があるわけです。同じお店でもメニューが違えば、1日に複数回利用することは全然ありうるわけなのです。

 その点が、McCafé by Baristaも共通していると私は思います。

 前述のように、同じマクドナルドの店なのですが、McCafé by Baristaのメニューは1階のメニュー(ハンバーガーなど)と違うのです。

 例えばランチで「ひるまックセット」を注文した人も、昼下がりにリモートワーク目的でMcCafé by Baristaに再び立ち寄ってほうじ茶フラッペを注文すれば、「また同じお店に来ちゃった」という感覚はマイナスではなくポジティブに捉えることができるようになります。「いつものお店で、いろいろと違う楽しみ方ができる」という感覚になるわけです。