自宅やオフィスでできる
腕・肩の深部リンパ節ほぐし

 今回は著書の中から、ビジネスパーソンにおすすめのセルフマッサージを2つ教えてもらった。どちらも多くの人が凝りに悩む「肩」と「背中」にアプローチするほぐし術だ。

 まずは、場所を選ばず実践できて、肩こりと二の腕のむくみ改善につながるほぐしワザ「腕・肩の深部リンパ節ほぐし」だ。

これは、全身にあるリンパ節のうち、わきにある「腋窩リンパ節」周りの筋肉や、その筋肉の中にある“深部リンパ節”をほぐす方法だという。

「夜久ルミ子先生が開発した『深部リンパ節開放』(*)に基づいた方法です。体の奥にあるリンパ節周辺に刺激を与えて血液とリンパ液の流れをよくします。ただし、循環器系などの疾患、痛みがある人、熱や炎症がある人、健康に不安がある人は『深部リンパ節ほぐし』は控えてください」

(*)…夜久ルミ子氏は、薬剤師、鍼灸・あん摩マッサージ指圧師、エステ・アロマなど認定講師資格など20以上の資格を保有。セラピューティストアカデミーRUBYZ顧問、深部リンパ協会理事長。著書に『やせスイッチを押せば驚くほど細くなる 深部リンパ開放マッサージ』(西東社)など。

 マッサージに入る前に、下図を参考に自分自身のわきの下に老廃物がたまっているか否かをチェックしよう。

わきの詰まり度チェック肩と腕を少し前に出して、わきの下をつかみやすくする。反対側の手の親指以外の指4本を下から上にグッと差し込んで、親指もしっかりつかむ。つかんだときに痛みを感じる人は、肩こりや上半身のむくみがあるサインとのこと。 画像提供:崎田ミナ著『自分の手でときほぐす! ひとりほぐし』(日経BP) 拡大画像表示

 自分のリンパだまりをチェックした後、鎖骨周りのリンパの流れをよくしてから「腕・肩の深部リンパ節ほぐし」を行うと、ほぐし効果がアップするという。

深部リンパ節ほぐしのはじめに「鎖骨の内側を押してリンパ液の出口を開放します。鎖骨の下にある、鎖骨下静脈がリンパ液の最終出口です。親指以外の4本の指を曲げてかぎ形を作り、鎖骨の溝の上から軽く『3秒間押して離す』を5回行います」(崎田氏) 画像提供:崎田ミナ著『自分の手でときほぐす! ひとりほぐし』(日経BP) 拡大画像表示

 深部リンパ節ほぐしの準備を整えて実践するのが「わきのリンパだまりを流す」マッサージだ。

腕・肩の深部リンパ節ほぐし「肩と腕を少し前に出し、反対側の手の親指以外の“4本の指をわきの下”に、深く差し入れ、内側をしっかりつかむ。つかむ強さは、激痛にならない程度に加減しましょう。そしてわきをつかんだまま、ひじで円を描くように回します。前回しと後ろ回しを5回行います(1)。次に、親指をわきの下に差し入れて4本の指で外側をつかみ、先ほどと同様にわきをつかんだままひじで円を描いて前回しと後ろ回しを5回ずつ行う(2)。(1)→(2)の順で、反対側の腕も同様に回しましょう」(崎田氏) 画像提供:崎田ミナ著『自分の手でときほぐす! ひとりほぐし』(日経BP) 拡大画像表示

 続いて紹介するのが「肩の深い凝り」と「二の腕の深い凝り」を解消するマッサージ。

肩の深い凝りを解消肩の凝りは、腕を少し前に出して、反対側の手で肩の凝った部分をぎゅっとつかみ切る。肩をつかんだまま、ひじで円を描くように前回しと後ろ回しを5回。反対側の腕も同様に行う。「肩の次に、二の腕の凝り解消法。まず、手のひらを上向きにして腕を前に出し、反対側の手で二の腕の振りそで部分を下から強めにつかみます。しっかりつかんだまま、ひじを前後に曲げ伸ばしましょう。イラストの図を参考に、場所をずらして3カ所つかんでほぐします」(崎田氏) 画像提供:崎田ミナ著『自分の手でときほぐす! ひとりほぐし』(日経BP) 拡大画像表示

 二の腕の深部リンパ節ほぐし終了後、仕上げに肩から鎖骨へ、腕と胸からわきの下へ向かって手のひらで軽くさする。すると、浅い部分にたまったリンパも全身に流れていくという。

「片側だけマッサージを行い、両腕を動かしてみると“肩の軽さ”の違いを体感できるかもしれません。また、すぐにポカポカしてきて血が巡っているのも感じられて気持ちいいですよ!」