浅草発クラフトサケのブルワリーパブ!
搾らない面白さを追求
浅草の駒形橋西詰めたもとで、2020年6月に小さなどぶろく醸造所が誕生した。酒造りを見ながら、フレッシュなどぶろくが飲めて買える。代表の細井洋佑さんは、元々ブルワリーパブの経営者。クラフトビール同様に、どぶろくや果実などを加えたクラフトサケの広がりを目指して立ち上げた。
「海外客も多い浅草の新名所になれば」と細井さん。
初代醸造長の岡住修兵さんは、ここを卒業後、21年11月に秋田県男鹿市で醸造所を開業。2代目醸造長も、来年、長崎県で醸造所を開業予定だ。「ここで経験を積んで全国で挑戦してほしい」と考える。
今年の夏、どぶろく醸造所6社でクラフトサケブリュワリー協会を設立した。秋には日本酒蔵と共同イベントに出店するなど、クラフトサケの地位向上に励む。
「どぶろくは液体と半固形分が混ざり合った、食べると飲むの中間の酒。世界中、見ても他にない。搾らない面白さを突き詰めたい」。
木花之醸造所は代々、醸造長が1人で酒造りを行う。機械類はほぼなく、洗米や放冷、麹造りなど全て手作業。機械操作を覚える酒造りと違い、自らの手を動かし、常に状態を判断し、最良の着地点を考えて醸す。醸造の全てができないと務まらない。まさに最高の修業の場だ。
店名は日本神話の女神、木花之開耶姫(コノハナノサクヤヒメ)に由来し、定番酒の「ハナグモリ」は姫が咲かせた桜をくぐる幸福感から命名。
3代目醸造長には女性が内定し、姫が醸す新たな醸成が始まる。
●木花之醸造所・東京都台東区駒形2-5-5●代表銘柄:ハナグモリ、LAB01、LAB02、LAB00●杜氏:日向勇人●主要な米の品種:コシヒカリ、山田錦、レイホウ、ササニシキ、カミアカリ