ベビーシッターの利用で
親もリフレッシュを
ベビーシッターに関する意識変化がなかなか進まない現状だが、そんななかで「否定派」の親族にシッター利用を前向きに考えてもらうには、どうアプローチしたらいいのだろうか。
「子どもの習い事の感覚で捉えてもらうといいかもしれません。親以外の人と関わることでコミュニケーション能力が育ちますし、実際にベビーシッターをしているときに英会話やピアノのレッスンを行うシッターも多くいますよ」
まだまだベビーシッターの利用が普及していない日本では、“親のため”ではなく“子のため”としての利用であれば、受け入れられやすいのかもしれない。
「『子のためにシッターを』とはいっても、やはり親が心の余裕や気力を失っては、子どもを見ることもままなりません。お子さんのためにも、親がリフレッシュをする時間はとても大切だと思います。『親の心を軽くする時間』を買う感覚で、シッターを頼ってほしいです」
なかには、両親がそろっているタイミングでシッターを頼む人もいるのだとか。
「ご夫婦でコンサートに行きたいから、『コンサート会場の近くの商業施設で子どもを見ていてほしい』との依頼を受けたことがあります。ほかにも、家族で遊園地に行く際に同行するシッターもいるそうです。シッターに子を預ければ、親は子どもが乗れないアトラクションにだって気兼ねなく乗れますからね」
ピンチを助けてくれる、時間を作ってくれるだけでなく、家族との時間の中で親が趣味やレジャーを楽しむ時間を過ごすサポートもしてくれるわけだ。
「シッターは一人ひとりが保育園のような存在なので、預かる年齢も、時間帯も、宅外サポートの可否も十人十色です。0歳1カ月の子から対応するシッターもいれば、親の帰りが深夜になるときに小学生の子とお泊まり保育をするシッターもいます。各ご家庭に合うシッターがいるはずです」
ベビーもキッズも別け隔てなく世話をし、結果、親のストレスもケアする。“ベビーシッター”と呼ばれはするものの、彼らがサポートする存在は“ベビー”だけではないのだ。
だが近年はベビーシッターに関する事件の報道を目にする機会もある。どんなシッターに依頼すればいいのか、不安を感じる親もいるだろう。そんな人にこそ、本書を手に取ってほしい。
コラムページでは「安心して依頼できそうなシッターの見分け方」など、保護者から寄せられた疑問にも回答している。ベビーシッターがどれだけ真摯に子どもたちと向き合っているかを漫画で知れば、不安解消の一助になるはずだ。