欧米中銀と日銀「真逆の金融政策」が抱える“共通の難題”Photo:PIXTA

FRBは連続利上げ
日銀は「緩和維持」の見通し

 世界的にインフレ圧力が強まる中、欧州中央銀行(ECB)は9月理事会で設立以来最大となる0.75%の利上げを決定したほか、米連邦準備制度理事会(FRB)も、20、21日に開く9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で少なくとも0.75%幅の利上げを決める見通しだ。

 一方で日本銀行は21、22日の金融政策決定会合で、引き続き従来の金融緩和策の「維持」決めるとみられる。

 主要国の中央銀行が利上げを進める中で、金融緩和を続ける日銀の姿勢が一段と際立つことになる。

 背景には、日本の物価上昇率が欧米に比べて低く、またコロナ禍からの経済回復が遅れていることがあるが、欧米の中央銀行と日銀では、「物価安定」を目指すアプローチにも違いがある一方で実は共通の課題を抱えている。

 それは、金融政策で「インフレ期待」をどうコントロールするかという難題だ。