世界的なインフレ感染の広がり
国内への波及で異なる日本
程度の差こそあれ、世界的にインフレが進んでいる。
ウクライナ戦争などによる原油など資源価格の高騰がその背景にあることは各国同じだが、インフレを新型コロナと同じ感染症と考えたときに、国内での感染の広がり、つまり国内の販売価格などへの波及で違いがある。
日米欧の消費者物価の推移(図表1)を見ると、米国の消費者物価は資源価格の高騰が始まるのに連動して、2020年半ばには上昇に転じたのに対し、日本の消費者物価がマイナス幅を縮小するのは21年になってからだ。
また、その後の上昇ペースは欧米に比べて日本は低く、ようやく2%の物価安定目標を超えてきたところだ。
資源価格の高騰という世界的なインフレウイルスの広がりが日本国内で抑えられているのは、消費者物価への波及を抑える日本特有のいくつかの歯止めのメカニズムがあるからだが、その状況も変わってきている。