「LINEは中年との連絡ツール」の衝撃、この置き去り感をどう消化する?写真はイメージです Photo:PIXTA

先日インターネット上の一部で話題になったのが、最近の高校生はLINEを「おじさん、おばさんとの連絡ツール」だと思っているという説である。数年前の最先端だったはずのツールが、もはやそんなことになっているのだろうか。令和の時の流れは恐ろしい。(フリーライター  武藤弘樹)

「センター問い合わせ」から約20年
最先端を求める連絡ツール

 1980年生まれの筆者は、連絡ツールの日進月歩の進化を目の当たりにしてきた世代である。中学生の頃、ポケベルが出てきて、筆者は無縁だったが、同級生はこぞって身につけていた。友人Aくんの、公衆電話の数字ボタンを使ってメッセージを送るスピードが異様に速かったのを今でも覚えている(※注1)。

 ほどなくしてPHS、携帯電話(今で言うガラケー)が出てきて、ガラケーの方は絵文字も使えるメール機能が実装されていた。意中の相手にメールを送ったあとはしきりに“センター問い合わせ”をし、案の定『メールはありません』の結果を目にして、「センターを破壊する」などと言って盛り上がったものである(※注2)。

~筆者より若い世代向けの補足~
※注1:ポケベルでメッセージを送信する際は、「1と1で『あ』」という具合に、電話の数字を組み合わせて文字としていた。
※注2:かつては通信環境が現在ほどかんばしくなく、自動的に受信できていないメールが“センター”なる得体の知れない機関にたまっていることがあった。“センター問い合わせ”のボタンを押すと、未受信のメールがあった場合は即時受信することができる。

 その後筆者は引きこもりがちになって世情に疎くなるのだが、スマホを世間より遅めに手にしてLINEのすごさに衝撃を受けた。やり取りの瞬発性、履歴の確認のしやすさ、スタンプの楽しさ等々は、従来の連絡ツールにはないものであった。
 
 しかし今そのLINEが、どうやら若者から見ると中高年向け……と表現すると正確ではないかもしれないが、少なくとも「若者たちの間で主流のイケてるツール」ではなくなってきているようなのである。どういうことなのか詳しく見ていきたい。