10国債金利、一時4%超え
ドル高は2002年5月以来の水準に
先週末に、株価指数S&P500指数は2020年11月以来の最低水準まで下落し、これまで底堅いと評価されてきた米国経済について、悲観的な見方がにわかに強まった。
10年国債利回りは先週、乱高下を繰り返しながら節目となる4.0%を一時的に超えた。それに歩調を合わせる形で為替市場ではドル高が加速し、ドル・インデックスは先週火曜日(米国東部時間)に、2002年5月以来の水準へと上昇した。
FRB(連邦準備制度理事会)の利上げ加速を起点とした市場金利の急上昇と、それを主な背景としたドルの上昇が加速する過程で、米国企業の利払い負担の増加や輸出競争力の低下を懸念する声が増えてきている。
現状では個人消費の下振れは見られず、好況を続けた80年代の「高金利・ドル高」時代の再現となるのか、一方では来年以降の「景気後退」を予想する声もあり、米企業が金利上昇、ドル高の重圧にどこまで耐えられるのか、注目だ。