2022年の台風は、例年に比べ、日本の近くで発生したものが多いのが特徴だそうです。台風や地震などの災害が起こった際には、事前に災害時のための備蓄をしておくことがとても大切です。そこで今回は、防災のための食事ストック術についてお伝えしていきます。(管理栄養士 岡田明子)
ストックしておくべき物と量
食事をストックする際、まずはどれくらいの量を用意するべきなのかを把握しておく必要があります。一般的に、水や食糧は最低「人数×3日分」は確保しておくべきと言われています。被害により、物流が滞ることやライフラインの復旧にかかる時間などを考慮して、できれば1週間分あると安心です。水は調理に使用する分を含め、1人当たり1日3リットル。食糧は、主食(ご飯、パン、麺類など)と主菜(肉、魚、大豆製品)を中心に用意しておくとよいでしょう。ストックする食糧をしっかりと選んでおかないと、同じものばかりを口にすることになったり、調理器具が使えず食べられなかったりという場合もありますので注意が必要です。
備蓄スペースを確保しなくて済む「ローリングストック法」
家族全員の食事1週間分を備蓄として用意しておくとなると、場所の確保も大変になります。そこで、昨今注目されているのが「ローリングストック法」です。ローリングストック法とは、日常的に非常食を食べ、食べた分を補充していくことで、常に新しい非常食を備蓄できる方法です。日々消費しながら非常食を入れ替えていく方法なので、備蓄スペースの確保が必要ありません。
普段から保存期間の長いものを少し多めに購入して、古いものから食べ、食べたら補充するというサイクルを習慣化していけば、消費期限が既に過ぎてしまっていたという事も防げます。非常食として販売されているものより消費期限が短い食品や、普段口にしているものを災害食としても確保できるので、備蓄のバリエーションも広がります。災害時に、日頃食べ慣れたものを口にできることは、食べる楽しみや安心感につながります。