中小企業向け「最新支援策」の狙いと要点を解説、借金増大に苦しむ会社は必見Photo:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

 経済産業省・金融庁・財務省は2022年9月8日、「中小企業活性化パッケージ」(22年3月4日公表)をさらに発展させた「中小企業活性化パッケージNEXT」を公表した。本パッケージは、経済環境の変化を踏まえた資金繰り支援の拡充や中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジを促す総合的な支援策のさらなる加速を目指したものだ。本稿では、その狙いとポイントについて解説する。

中小企業活性化支援策の
さらなる加速

 政府は、コロナ禍において、中小企業の事業継続を支えるため、官民金融機関による実質無利子・無担保融資等各種の金融支援策を行ってきた。こうした金融支援策が実施された結果、資金繰りDIの改善が見られた上、2021年の倒産件数も57年ぶりの低水準となるなど、中小企業の事業継続に一定の効果があったと考えられる。

 昨今、中小企業の課題が「資金繰りの維持」から「増大する債務への対応」へと徐々にシフトしつつある。こうした状況を踏まえ、増大する債務に苦しむ中小企業の総合的な支援策を講じるため、経済産業省・金融庁・財務省が連携した上で、「中小企業活性化パッケージ」(以下、旧パッケージ)を策定し、施策を展開してきた。もっとも、コロナ禍やウクライナ情勢、物価の高騰等により、依然として中小企業を取り巻く環境が厳しい中で、返済に不安を抱える事業者も現れている。このような現状では、一定の資金繰り支援を続けることに加え、旧パッケージで打ち出した施策をさらに加速させることが必要である。

 そこで今回、(1)ポストコロナへの段階的な移行を図りつつ、経済環境の変化を踏まえた資金繰り支援の継続・拡充を図ること、(2)中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジを促す総合的な支援策をさらに加速させることを軸に「中小企業活性化パッケージNEXT」(以下、本パッケージ)を策定した。