経済理論は実際にどのように役立っているのか、という批判を受けることがある。10日のノーベル経済学賞の結果がそれに反論している。受賞者である元米連邦準備制度理事会(FRB)議長のベン・バーナンキ氏、米シカゴ大学のダグラス・ダイヤモンド教授、米セントルイス・ワシントン大学のフィリップ・ディビッグ教授の3氏は、銀行が存在する理由や銀行の動揺が打撃となる理由についての理論的基礎を独自に構築した。バーナンキ氏は2007~09年の世界金融危機の際、FRB議長として失敗が許されない状況下で、そうした理論を実践に移した。金融には「情報の非対称性」と呼ばれる問題がつきものだ。借り手は自分の信用力を貸し手よりも知っている。預金者は、誰が安全な借り手かを判断するために必要な全ての資産査定を行うことができない。さらに、借り手のプロジェクトが利益を生む前に、予告なしに資金の返還を求めることもよくある。
ノーベル賞のバーナンキ氏、理論の実践が結実
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