「加熱式たばこ」トラブル続々、非喫煙者の厳しい視線
「加熱式たばこ」にまつわる「炎上」が相次いでいる。
9月12日、甲子園で熊本県議が試合を観戦中、缶チューハイを飲みながら加熱式たばこをスパスパやっている映像が公開されて謝罪をした。県議は「気づいたら吸っていた」と釈明をしたが、近くにいた生徒が、気分が悪くなって学校関係者が注意をしたが、応じなかったというマスコミ報道もあり、批判がやまず結局、自民党を離党することとなった。
1月にはJR宇都宮線の電車内で、加熱式たばこを吸っていた男性に対して、ぜんそくの持病がある高校生が「やめてもらえますか」と注意をしたところ、殴る蹴るの暴行を受けるというトラブルが大きな話題となった。
21年8月には、名古屋鉄道の車掌が走行中の列車で加熱式たばこを吸っていたことが発覚。「我慢できなかった。加熱式なら煙やにおいが残らないと思った」(朝日新聞デジタル21年8月17日)と述べた車掌は処分された。
なぜこんなにも「加熱式たばこ」関連のトラブルが多発しているのか。
まず大きいのは、喫煙者の多くが、加熱式たばこは紙巻きたばこよりも体に悪くないので、屋内などで吸ってもそんなに問題にならないと考えている部分がある。筆者の友人のIQOS(アイコス)ユーザーも、「加熱式たばこは水蒸気しか出ないから受動喫煙とか大丈夫だよ」なんて言って幼い子どもの横でスパスパやっていた。
この「加熱式たばこ、実は紙巻きたばこよりも安全」説を補強するのが「規制」の緩さだ。
規制の緩さを象徴する場所が「居酒屋」だ。
非喫煙者や嫌煙家の多くは、18年に制定された改正健康増進法によって居酒屋の店内も禁煙になったと思っているが実は違う。