ただ話すだけなのに「頑張る」「疲れる」「気を使う」……。日々のコミュニケーションで苦戦苦闘している日々よ、さようなら。これからは、説得しようと力業で勝負する必要はありません。自ら動くのではなく、相手に動いてもらい、自分の思い通りの結果に導けばいいのです。
それを可能にしたのが、大久保雅士著『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』だ。「トップセールス」の実績を持つ「メンタリズム日本一」が生んだ至極のコミュニケーションスキルが詰まった一冊。本書より、徹底的に磨かれたノウハウを一部抜粋し、「口下手で人付き合いが苦手」な人でも今日からすぐできる方法を紹介する。

話すのが苦手なら極めておきたい3つの「うなずき」Photo: Adobe Stock

「うなずき」に許される3つの所作

 東京・お台場にある日本科学未来館に、以前「うなずき君」というロボット展示があったのをご存じですか。このロボットは人間の言葉を理解しているわけではありませんが、人間が何かを言うときにうなずく動作をするロボットです。

「うなずき君」を体験した人は、「ロボットが言葉を理解しているわけではないとわかっていても、何だか会話が成立しているかのような気持ちになった」と感じるようです。

 また、2017年に山形大学と北海道大学の共同研究で、「うなずき」が人物評価の好印象度を上げる、という研究成果が発表されました。CGで作った女性の顔をモニター画面に映し、18歳以上の男女計49人に見せて、「好ましい」「近づきやすい」などの印象を数値で評価してもらうものです。

 CGの顔は「縦に首を振ってうなずく」「左右に首を振る」「正面を向いたまま」の3種類で検証したところ、「縦に首を振ってうなずく」が他のCGに比べて好ましさ、近づきやすさで好印象度が30~40%も上昇したのです。

 人間はコミュニケーションを行なう際に言葉だけではなく、非言語のジェスチャーを共有し合い、お互いの感情をくみ取っていることがわかります。相手の話を真剣に聞いていることを示すしぐさとして「うなずき」があるわけです。

 とはいえ、相手の目を凝視しながら、相手が話すたびに首を縦に振るようなうなずきは、なんだか不自然です。

 大切なのは、相手の言葉に対して、「最適なタイミングでしっかりとうなずくこと」です。これを「言語調整動作」と言います。相手の話に合わせて、聞き手のあなたが「聞いていますよ」と示すのです。うなずきをうまく行なうには、次の3点を意識してください。

1.相手の目を見てうなずく

 海外のエグゼクティブにはこれが上手な方が多い。相手と視線を軽く合わせ、少しだけ首を傾け、うなずく。凝視する必要はありません。相手の話に聞き入りながら、自分なりに考えを巡らせている、というニュアンスですね。両手をテーブルの上に出し、体の正面で軽く組むと知的さも演出できますね。

2.短く簡潔にうなずく

 うなずきがうまくできない人の典型例が、ロボットのように単調な繰り返しでうなずくことです。機械的な動きにも見えてしまうので、繰り返すより短く簡潔にうなずくほうが効果的です。

3.相手の言葉の終わり際でうなずく

 うなずきの最も大切なポイントは、タイミングです。マニュアル的に「うんうん」とうなずいてしまうと、相手には話を聞いてもらえていない印象が残ります。一番印象に残るのは、相手の言葉の終わり際、言葉の吐き終わりのタイミングでのうなずきです。うなずくタイミングで相手の話に共感している印象を植え付けましょう。

 この3点だけ意識していただければ大丈夫です。そうすれば、話を真剣に聞いているあなたが際立ちます。

 この章の冒頭にあるように、相手の話を聞いている姿勢が伝わるだけで相手の承認欲求が満たされます。うなずきも上手に使えれば、同等、いやそれ以上の効果を生み出すのです。

(本原稿は、書籍『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』から一部抜粋、編集したものです)