頭の中がいつも心配事でいっぱい。自分で自分を責めてしまいがち……。そんな人におすすめなのが、2022年10月26日に発売の『私はすべて自分で決める。』(チェ・フン著 李明華訳)だ。会社員である著者は、周りに合わせすぎて、どんな選択が自分のためになるのか、自分がどんな決断を望んでいるかもわからない状態になっていた。そんな著者がどうやって、他人に振り回されることなく、自分の選択と決断に自信を持ち、ポジティブに生きられるようになったのか、その具体的なノウハウを凝縮したのが本書だ。原書の『選択と決定はタイミングだ』は韓国本国で2022年1月に発売され、発売2週間で韓国大手書店で自己啓発ジャンルで1位になるなど注目を集めている。「この本は自分の人生の主役として生きる方法を教えてくれる」「より良い選択をしたいと願う人たちにすすめたい本」など絶賛と共感の声が相次いでいる本書。今回は、本書の発売を記念して特別に本文より一部抜粋、再編集して紹介する。
頭の中の「サル」を追い出すには?
大学の講義の準備で調べものをしていた妻が、あなたに必要な気がすると言いながら1冊の本を差し出してきた。
ダニー・グレゴリーの『Shut Your Monkey: How to Control Your Inner Critic and Get More Done』(日本未翻訳)という本だ。
頭の中のサルとは、いったい何を意味しているのか、タイトルだけでは内容がイメージできなかった。
この本の著者も、私のように考えすぎる人だった。
冒頭で「この本は自分のために書いた」と述べているほど、子どものころから自分のすることすべてに頭の中のサルが絶えず口を出してきて、心配が尽きなかったという。
サルはことあるごとに介入し、彼の判断に対して他人がどう思うかをささやき、勝手に限界を決めてしまったそうだ。
ところがある日、頭の中で聞こえていた声は自分が本当に望んでいることではなく、自分のためになっていないことに気がついた。
そこで、声の主であるサルをどうすれば追い出すことができるか、サルとの接触を減らし、邪魔される回数をどうすれば抑えられるのか、その方法を見つけるために本を書いたそうだ。
つまりこの本は、私のように考えすぎて、選択と決断がスムーズに行えない人のために書かれたと言える。
「これだ! これだったんだ!」
私は本を読む間、何度も膝を打った。
私の頭の中のサルは最初からいたわけではない。
幼いころから周りの人の視線や関心、他人の期待や基準など外部の環境により学習し、感じてきたことが、時間をかけて内面化していったにすぎない。
そのせいで、今まで使ってきた方法や考え方の枠から外れると、それを危険と認識してその状況を否定し、拒み、避けるようになる。
実際には起きない可能性のほうが高いのに、不安や恐れから新しいことや変化に挑戦し、行動することができない。
選択と決断を自信を持って行えずに躊躇してばかりいたのは、まさに内面のサルが私を操縦していたためだったと著者は指摘している。