「芸人や外国人をバカにする人」のたった1つの誤解ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の最新刊『99%はバイアス』では、「ブレイクの秘訣」を明かし、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語った。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

大衆の欲望

 あなたは、テレビを見ながら、「こいつバカだな~」と思いながらゲラゲラ笑ったりするでしょうか。

 思ったことを好き勝手言えるのが、大衆メディアのいいところですよね。

 そのおかげで、2ちゃんねるやニコニコ動画での「実況中継」というメリットが顕在化されましたしね。

「下に見る存在」の価値

 そのせいかもしれませんが、ある時期から、報道番組や情報番組に「お笑い芸人」と「外国人タレント」が必要になりました。

 学者同士が難しい話を議論するのなんて、もう誰も見ません。

「しょせん芸人だ」「しょせんカタコトだ」と、日本の視聴者は彼らを下に見て、溜飲を下げるわけです。

「誰かを下に見たい」という欲望が透けて見えますよね。

 逆から見ると、そうやって自分を下げる「芸人的なポジション」が有利になったんです。

 間違ったことを言ったとしても、「どうせ○○だし」という目線があれば、あまり叩かれたり、炎上することはありません。

能ある鷹は「本当に」爪を隠す

 とはいえ、日本人は彼らをナメすぎているとも思います。

 たとえば、外国人タレントは、ほぼ全員が「超優秀」なんですよね。

 彼らは本業の仕事をしながら、ニュアンスが難しいといわれいてる「日本語」をマスターして、さらにそこから日本人にウケるネタを話しているわけです。

 普通に考えると、ものすごいことをやってのけています。

 逆の立場として考えてみましょう。

 中学や高校で英語教育を受けた日本人が、「英語でアメリカ人を笑わせてみてください」と言われて、できる人なんてほとんどいません。

 それなのに、ネタが一発ギャグだったり、カタコトだから、「しょせんバカだろう」と下に見ている人が多いんですよね。

 本来の能力値はすごく高いのに、そこをあえて隠す。それにより、後から評価が見直されるわけです。能ある鷹は、本当に爪を隠すんですよね(笑)。

ナメられても気にするな

 お笑い芸人も、外国人タレントも、最初はナメられて世に出てきます。

 そして、優秀な人は、その後、ちゃんとイメージをひっくり返します。その順番が大事なのでしょうね。

 優秀な人は、最初にナメられてもあまり気にしません。

 一方で、無能で中身が空っぽな人ほど、プライドが高くてナメられると怒ります。

 こういう僕も、わりと、軽く扱われたり、雑に扱われるほうです(笑)。

 でも、ナメられて怒る人って、印象を取り繕っている自覚があるのかもしれませんよね。

「自分がバカなことがバレている。だから、イライラする」みたいな感情なのかもしれません。

 ナメられたら「おっ。後から見返せるチャンスだ」と心の中でつぶやくくらいでちょうどいいんですよ。いくらでも取り返せますから。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『99%はバイアス』『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。