きょうだいの「相続格差」は絶対もめる!やってはいけない泥沼相続の実態二次相続では、横並びで競い合ってきたきょうだいが、残された親の財産をめぐって最後の争いをする(写真はイメージです) Photo:PIXTA

縦に直接つながっているのが親子だとしたら、きょうだいは親を通じて横に並んでいる関係といえます。横に他人が並んでいると、どうしても隣を向いて自分とくらべてしまいがちです。親子間の感情がもつれたり、子どもの自立を妨げる「相続格差」がある一方、モメる相続になる大きな原因となる「相続格差」が一番表れやすいのは、きょうだいの関係といってよいでしょう。そこで今回は、前回に引き続き、天野隆さんの著書『相続格差』(青春出版社)から、のちのちまで影響する、きょうだいの「相続格差」はどう生まれるのかをご紹介します。

圧倒的にモメる「二次相続」で起こる奪い合い

 私たちは、同級生や同業者のように、似たような人と自分とを比較して、ストレスを感じやすい傾向にあります。まったく境遇の違う人に対しては、いくら豪華な生活をしていても、地位を誇っていても、それほど嫉妬心は起きません。

 しかし、似たような環境にいる近い年齢の人だと、どうしても張り合ってしまいます。その最たるものが、きょうだいです。

 興味深いことに、自分とほかのきょうだいを比較するのは、もっぱら親が元気な間だけです。「妹はお父さんにかわいがられて悔しい」「お母さんは自分だけに秘密を打ち明けてくれた」といった具合で、妬んだり、喜んだり、怒ったりしているわけです。要するに、「親の愛情の奪い合い」なのです。