相続で家族が揉める原因、実は「お金より心」?幸せになる相続の分岐点相続は勘定(お金)より感情(心)でモメる?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

たび重なる相続税の見直しによって、相続税の対象となる家庭が増えてきました。どのように相続税を節税すればよいか、遺産の分配をどうすればよいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。しかし、相続税や遺産分配のことばかり考えていると、肝心の「相続」の本質をおろそかにしてしまう恐れがあります。お金のことばかりを気にした結果、相続でモメにモメて、きょうだいの仲が悪くなったという話はあとを絶ちません。そこで今回は、天野隆さんの著書『相続格差』(青春出版社)から、モメる相続、モメない相続の分岐点とはどこなのかをご紹介します。

実は「法定相続分」に従って分けなくてもいい

 最近では、相続に関する情報が広く知られるようになったため、「法定相続分」という用語はどこかで聞いたことがあるかもしれません。しかし、「法定」という言葉が独り歩きして、そう分けるべきであると誤解している人が多いようです。

「法定相続分」は、相続人の間で行われる遺産分割協議がまとまらなかったとき、裁判所が仕方なしに「最終的にこうするしかない」と決める目安なのです。

 つまり、ルールではなくて例外的な対応といったらよいかもしれません。実際の相続では、財産が法定相続分通りに分けられることはほとんどありません。