高齢者の暮らしを支える介護業界の仕事に携わる人は、日頃どんな思いで高齢者と向き合っているのか。「なり手不足」が叫ばれて久しい介護業界で、現役で介護職として働く人のリアルな本音と実情に迫った。
【登場人物プロフィル】
Aさん(60代):介護施設に勤務する介護職歴20年のベテラン。若手教育にも携わる。
Bさん(40代):デイサービス勤務を経て、利用者宅を訪問し介護を行う訪問介護員歴15年。
Cさん(50代):介護職歴10年。現在、ケアマネジャーの資格を取るために勉強中。
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──高齢化が進む中、介護業界の人手不足が深刻な問題になっています。
Aさん:うちの施設も求人を募ってもなかなか応募者がいないし、入っても離職率が高く、人が定着しない。介護施設では24時間態勢で利用者さんの生活を見守るため、夜勤やシフト制での不規則な働き方がきついと感じる人もいます。夜勤は拘束時間が長く、少人数で対応するため体力的な負担もかかってしまう。
Bさん:訪問介護員も人手不足が深刻です。うちの事業所では、15人の介護職のうち、9人が65歳以上で、介護職として働く人の高齢化もある。年齢を問わず働くことができる仕事でもあるので、50代で資格を取る人も結構多いんですよね。でも結局、体力的にきつかったり、人間関係の問題などで辞めてしまう人も少なくありません。
Cさん:仕事がきついわりに、給料が低いのも人材不足の要因。中には、高い志を持って、若くして介護業界に飛び込む人もいます。でも実際に介護業界で働く中で、「こんなに大変な仕事を、この条件でやってられない」となって辞める人も多い。私は今、給料アップのためにも、ケアマネジャーの資格を取るために勉強しています。
Aさん:排泄、食事、入浴の介助など、利用者に直接接する分、体力や気力を使う仕事であることは事実。体が大きい人だと、介助もその分大変になるし、認知症などでコミュニケーションが難しい人と日々向き合わないといけないつらさもある。でも、世の中になくてはならない仕事で、実際に介護職ならではのやりがいもあると思うんだけれど……。