ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「カーボベルデってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

カーボベルデってどんな国?

 カーボベルデはアフリカ大陸西部に位置し、セネガルのヴェルデ岬の西方400km近く離れた、大西洋に浮かぶ島国です。北部のバルラヴェント諸島と、南部のソタヴェント諸島から成る火山群島です。

 15世紀にポルトガル人が上陸して、ポルトガル領になり、奴隷の取引に使われました。国名はポルトガル語で「緑の岬」という意味です。

 海に囲まれた小さな島々ですが、年降水量が150~300mmと極端に少なく、干ばつが頻発します。それは海上をカナリア海流という寒流が流れているためです。しかも、11~3月にはサハラ砂漠からハルマッタンと呼ばれる砂嵐が吹きつけて、乾燥します。

 乾燥しているため、水不足で、農業生産に適していません。これといった産業もないため、ポルトガルやアメリカ合衆国などに出稼ぎに行ったり移住したりしている人が多く、本国の人口よりも海外在住者の方が多いことが特徴的です。したがって、海外からの送金は、この国のGDPの約2割を占めるほど、重要な収入源となっています。

 首都プライアは南部にあり、人口約16万人。北部にある第2の都市ミンデロは、大きな船が着岸できる補給港です。日本船のマグロ漁の基地で、カラフルな家が並びます。

「カーボベルデってどんな国?」2分で学ぶ国際社会アフリカ西部

カーボベルデ共和国

面積:4033km2 首都:プライア
人口:58.9万 通貨:カーボベルデ・エスクード
言語:ポルトガル語(公用語)、ポルトガル語系のクレオール
宗教:カトリック77.3%

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)