ブームに乗った「にわか投資家」ほど危険!荒れ相場の今こそ長期投資の心得を写真はイメージです Photo:PIXTA

「老後2000万円問題」やコロナ禍などの影響で、日本でも投資をする人が急増しました。しかし、今、歴史的な円安やウクライナ侵攻など、国際情勢も不安定になっていて、「投資ブーム」も終焉の兆し…といったところです。しかし、つみたてNISAや株式投資をここ2~3年で始めた「にわか投資家」の方々ほど、肝に銘じてもらいたいことがあります。(セゾン投信代表取締役会長CEO 中野晴啓)

投資ブームに暗雲?2020年から今までに何が起きたか

 2020年から新型コロナ感染拡大が始まって、金融市場は一斉に大幅下落が連日続くコロナショック相場に翻弄されました。そこで、主要国は経済活動の急ブレーキと景気失速を回避すべく、果敢に超大スケールの量的金融緩和と財政投入を実行しました。

 マーケットはこのチャンスに速やかに反応して、リターンを求め、株式市場への資金流入が続きました。その結果、2021年末まで一直線の右肩上がり相場となり、金利が金融緩和で低く抑え込まれる中で、主要国の株価は最高値圏を更新していきました。

 他方で実体経済は異なる動きになりました。緊急事態宣言による行動制限などの解除によって需要が急増。また、余剰マネーがコモディティー(商品)価格を押し上げた上に、資源エネルギー価格も急上昇し、米欧からインフレが加速しました。

 そこで、米中央銀行のFRBは慌てて金融緩和政策を終了させ、インフレを鎮静化させるための金融引き締めとして、利上げに政策転換しました。また、量的緩和で膨張したFRBの資産圧縮(テーパリング)も表明しました。この結果、金融緩和と低金利下の上昇相場は終焉し、2022年初からは調整局面に入ったのです。

 ここまでは、いわば想定範囲での経済サイクルと市場反応でした。

 しかし、2月下旬に勃発したロシアのウクライナ侵攻によって、世界のマクロ経済における不確実性は急加速で拡大することになったのです。急速に不安定な状況になっていて、じたばたしている人もいるかもしれません。だからこそ、今、長期投資の心得をお伝えしたいと思いました。

次ページ以降で読める内容は…
・ウクライナ侵攻を機に世界とマーケットはどうなった?
・長期投資目線で見える希望もある
・投資ブームに乗っかった人ほど危険な状況が待っている