買い物客で賑わう大阪駅前の様子買い物客で賑わう大阪駅前の様子 Photo:PIXTA

GDPはマイナスだったが
日本景気の持ち直し続く

 新型コロナウイルスの感染状況や、半導体などの供給制約などが経済活動に大きな影響を与えるなか、日本景気は緩やかな回復基調にある。新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置の解除や、半導体などの部品供給制約の緩和を受け、日本では、落ち込んでいた企業の生産活動やサービス消費の持ち直しが確認されている。

 企業の生産活動においては、鉱工業生産が22年4~6月期に前期比2.7%減と落ち込んだのち、7~9月期は同5.8%増と急回復している。第3次産業活動指数は、7~9月期に、旅行業、宿泊業が前期比で大幅に上昇しており、対個人サービス業は、1~3月期の前期比0.1%低下に対して、4~6月期に同2.0%上昇、7~9月期には同4.0%上昇と、上昇ペースが加速している。

 一方、7~9月期の実質GDP成長率は、前期比マイナス0.3%(年率マイナス1.2%)とマイナス成長となったが、GDPの控除項目である輸入(財・サービス)が大幅に増加し、前期比でみた成長率は1.0%ポイント押し下げられた。内閣府によれば、輸入の増加は広告に関連する業務で海外への支払いが増えた(サービス輸入の増加)ためで、一時的な拡大だったとも考えられる。

 一方、実質GDPを構成する輸入以外の需要項目をみると、個人消費、設備投資、輸出などは前期比で増加しており、家計、企業の支出は伸び、企業の輸出の増加も続いている。