国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査2021」において、独身男女の中で「一生結婚しない」と回答する人の割合が過去最高となった。結婚への夢や憧れがなくなった現代だが、一方で「結婚したい」思いが引き金となり、うつ状態となる「婚活うつ」に陥る人も。結婚に夢を抱く男女を苦しめているものとは一体なんなのか。結婚相談所マリーミー代表・植草美幸氏に話を聞いた。(清談社 吉岡 暁)
テレワークの普及による
婚活のメリットとデメリット
18歳から34歳の独身男女のうち、「一生結婚するつもりはない」と答えた人の割合が過去最高となった。
国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査2021」によると、「一生結婚しない」と答えた男性は17.3%、女性は14.6%で、前回調査(2015年)より、どちらも5ポイント以上増加し、半数以上が「一人の生活を続けても寂しくないと思う」と答えている。また、独身男女の6割以上が「生きがい」となるような趣味やライフワークを持っていた。
現在、50歳時点での未婚者は日本の人口のおよそ4分の1に上る。2000年に約80万件あった婚姻数は、21年には約51万件にまで激減。出生数も減少の一途をたどり、約81万人(2021年)と100万人を切っている。
「結婚に夢や希望を抱かない男女が増える一方、なんとしても結婚したいと願う男女の『婚活うつ』が増加しています」
そう話すのは結婚相談所「マリーミー」代表で、10月に『結婚の技術』(中央公論)を上梓(じょうし)した植草美幸氏だ。フジテレビ系「ザ・ノンフィクション」に出演し、全国的に知られるようになった植草氏の元には、結婚への真剣な思いを抱いた男女が毎日のように訪れる。
「コロナ禍で他者とのつながりが減り、『家族』を持つことを意識するようになった人が増えたように感じます。と同時に、コロナ前と比較すると、体感で『婚活うつ』状態になる会員さんが2倍以上増えています。コロナ禍によるコミュニケーション不足が影響して、ふさぎ込んでしまうんですね。特に女性に多くいるように感じています」