一人っ子政策などの影響で、中国の10~20代は今、かつてないほど高学歴だ。しかし政府の強硬なコロナ対策や経済不況の影響で、その多くが職に就けずにいる。都市部に住みたいが物価が高すぎる、そんな状況下、ロシアとの国境に近い元炭鉱の街がちょっとしたブームになり、そこへ移住したいと希望する若者が増えているという。いったい何が起きているのだろうか。(フリーライター ふるまいよしこ)
1995年以降生まれの
中国の若者の失業率、約18%
11月15日に中国国家統計局が発表した失業率のデータによると、10月期の平均失業率は5.5%。このうち25歳から59歳までの主要労働年齢層が4.7%となったのに対し、16歳から26歳の失業率が17.9%であることが分かった。今年に入ってからのこれまでのデータと比べ、特段驚くほどの変化が起きたわけではないが、今夏は中国で大学新卒者が初めて1000万人を超えた年でもある(中国の学校は9月に新学期を迎える)。学校を卒業したばかりの彼らがすんなりと職に就けていないことを改めて示す数字となった。
16歳から26歳は1995年以降に生まれた世代で、中国ではその数2億人。このうち9割が大学(短大含む)の卒業生だといわれる。2020年の労働統計で見ると中国の労働人口の22.7%を占め、労働人口が今後減少していくとされる中国では、貴重な労働者のはずだ。