エーザイは9月下旬、開発中のアルツハイマー型認知症治療薬について、症状の悪化を抑える効果が認められたと発表した。その際、内藤晴夫最高経営責任者(CEO)は慎重さとは程遠い姿勢を見せた。後期臨床試験の結果を受け、内藤氏はアミロイド仮説の妥当性を証明するものだと述べた。この治療薬「レカネマブ」がプラセボ(偽薬)に比べ、認知障害および機能低下を27%抑制したとの発表は、投資家と科学者を一様に驚かせた。発表を受け、この治療薬の経済的権利を共有する米バイオ医薬品大手バイオジェンと、他にも注目されている抗アミロイド薬を試験中の米製薬大手イーライリリーを合わせた時価総額は、300億ドル(約4兆1200億円)超増加した。