現代のリーダーは指示より「聴く」、チームの力を最大化する1対1の対話術チームの形は「ヒエラルキー型」から「フラット型」へと変化している。フラットなチームにおけるリーダーの役割は、メンバー一人ひとりが成果を出せるようにサポートすることだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

おすすめポイント

 リーダーの悩みは尽きない。上司から部下へ一方的に「指示」するのではなく、一人ひとりを尊重し、全員で「共創」していくチームがスタンダードになりつつある現代においてはなおさらだろう。本書『「僕たちのチーム」のつくりかた メンバーの強みを活かしきるリーダーシップ』は悩めるリーダーを救う一冊だ。

『「僕たちのチーム」のつくりかた メンバーの強みを活かしきるリーダーシップ』書影 『「僕たちのチーム」のつくりかた メンバーの強みを活かしきるリーダーシップ』 伊藤羊一著  ディスカヴァー・トゥエンティワン刊 1650円(税込)

 著者は『1分で話せ』をはじめとするベストセラーの著者、伊藤羊一氏。本書では、現代のリーダーに必要な要素を7つの章にわたって説明している。

 キーワードは「フラットなチーム」。伊藤氏は「ヒエラルキー型組織では、もう新しいものが生まれない」と断言し、一人ひとりが主人公になる、フラットなチームづくりの重要性を明快に説いている。

 フラットなチームにおいて、リーダーの果たすべき役割は「ファシリテーター」だ。チームを引っ張るのではなく、チームの力を最大化することを目指し、「環境づくり」と「チームメンバー一人ひとりの才能と情熱を解き放つこと」に専念する。これは新しくも、誰もが納得の「新・リーダー像」ではないだろうか。

 要約者にとって印象的だったのは、リーダーの役割のひとつとして「メンバーが抱えるもやもやに気づき、解決へと導くこと」が挙げられている点だ。その上で、メンバーのもやもやを解消する1on1のテクニックが紹介されている。実践すれば、メンバー全員が自分の力を発揮しやすくなるに違いない。一人ひとりを輝かせ、チームを活性化したいと願うリーダーに一読をおすすめしたい。(庄子 結)