たった90日で劇的に成績を上げる新メソッド、一挙公開! 学年最下位をとっていた落ちこぼれが、勉強に目覚め、たった90日で「京大模試D判定⇒A判定&全国1位」に。そして京大に合格。そのときの勉強法を再現性あるものに練り上げ、「いつ、どの教科を、どう勉強するか」という受験戦略を構築。その勉強メソッドをまとめた『逆転合格90日プログラム』が10月11日に発売された。この特別寄稿は、その著者であり、予備校講師として、京大、早慶、医学部など、多数の合格実績を叩き出している篠原好氏が語る「共通テスト対策」だ。

共通テスト英語「戦略的に捨てるべき」問題3選Photo: Adobe Stock

戦略的に捨てたほうがいい問題3選

 本日は、共通テストの英語で「解いてはいけない」問題を紹介します。

 まず前提として、どの教科でも90%以上を狙うなら、全問解いて、かつ、全問正解するつもりでいないといけません。どれだけちゃんと読んでも、多少はミスをしてしまいますので、90%以上を狙うのであれば「捨て問」はありません。

 しかし、目標点が85%以下で良いのであれば、「戦略的に捨てたほうがいい」「手を付けると時間をたくさん食われてしまう」問題があります。代表的な問題を3つ紹介します。

①英語リーディング「Fact/Opinion問題」

 英語のリーディングでは、「~は事実か、それとも、登場人物の意見か?」という問題が出題されます。

 そして、この出題形式の時は、非常に丁寧な読み解きを要求してきます。例えば、2022年の大問2Aでは、登場する学生のコメントに「イヤホンかヘッドホンを使う必要がある」という部分がありました。あくまで「コメント」である以上、「意見」なのではないかと思うかもしれませんが、これは「事実」として考えないといけない、という問題です。

 日本語で冷静に見れば、スムーズに解けることもありますが、実際に英語で、試験時間に追われながら解くと、上手くいかないケースが多くあります。

 なので、共通テストで85%以下が目標なのであれば、潔く「Fact/Opinion問題」を捨てると決めておいても、他を正解できれば、十分に目標点に届きます。

②英語リスニング「計算が必要な問題」

 英語のリスニングでは、「200円のリンゴを5個買ったら、10%オフになった。お代はいくら?」といった、簡単な計算を要求する問題が出題されます。

 このような問題に対して、聞きながら計算をすると、ほぼ100%間違えます。

 受験のプロである私がやっても、リスニングを聞きながら計算すると、ほぼ間違えます。なので、こういった問題は、

1:そもそも、計算が要求されるであろうことを、音声開始前の先読みで把握する
2:音声が始まったら、リスニングのみに特化して集中する
3:音声が終わったら、計算のみに特化して集中する

 この3ステップで解く必要があります。しかし、85%以下を目標点にする場合、そもそも「捨て問」にしてしまいましょう。というのも、「3:音声が終わったら、計算のみに特化して集中する」をしている段階で、次の問題の音声が始まってしまうことがあるからです。

 計算を要求する問題だけを失点するのと、その次の問題も準備不足で失点するのでは、どちらが良いでしょうか?

……もちろん、失点は1問までにしたいですよね。

 ちなみに、問題を作る側の意見でいうと、計算を要求する問題は難しくすることが簡単です。例えば、「200円のリンゴを、5個買ったら、10%オフになった」の後に、「レジ袋代が5円かかった」「クーポンで100円引きされた」などなど、条件を足せば、いくらでも難しくできるからです。

③英語リスニング「複数人のディスカッション」

 去年までの傾向で今年も出題されるならば、英語のリスニングの最終問題は、複数名のディスカッションが出題されます。

 この問題は、正直申し上げて私も一昨年の問題を初めて解いたとき、間違えてしまった問題です。

 見ず知らずの4人が、ディスカッションしているのを、音声だけで「誰が何を言っているのか」を判断する……。ハッキリ言ってしまえば、「日本語でも難しい」と言えます。

 例えば、英語検定1級のリスニング問題では、あえて「インド英語訛り」の話者など、明確な違いがあるのですが、共通テストのリスニングでは「男の声」と「女の声」ぐらいの違いしかありません。

 通常の高校生であれば、聞き取ることはほぼ不可能と言っていいでしょう。

 この問題に対して、重要なことは「解けなくても気にしない」「解ける問題を解く」という発想です。全問を完璧に聞き取ることをあきらめて、「全体がおおまかに分かっていればOK」「1問ぐらい間違えてもいい(他の受験生も間違えている)」という発想で解いていきましょう。