神戸山口組の離合集散のたどり着く先
六代目山口組が15年に分裂してから7年、福岡県警が「頂上作戦」として工藤会トップの野村悟被告を逮捕してから8年以上がそれぞれ経過している。抗争終結が六代目山口組優勢のまま最終局面を迎えたと思われた矢先、神戸山口組から離脱したはずの池田組と絆會(きずなかい、兵庫県尼崎市の指定暴力団)が再度、神戸山口組に合流して「3者連合」が形成された。
一方、その過程において、神戸山口組はその立役者とでもいうべき大幹部の入江禎副組長(二代目宅見組組長)と寺岡修若頭(侠友会会長)が脱退し、神戸山口組は「3者連合」と引き換えに2大有力組織を失った(その後の動向もいまだ流動的である)。
このように、神戸山口組側は離合集散を繰り返し、その形を変化させながら自然に勢力を衰退させて「自壊」する可能性が高まっている。背景には、多くの関係者が、井上邦雄・神戸山口組組長のリーダーシップへの懸念や年齢的な問題を指摘していることがある。
一方の六代目山口組も、司忍組長や高山清司若頭の年齢的な問題はあるものの、それゆえ、優勢な現状を生かして、短期的に終結に持ち込むことを狙っているという。
ただ、前述の通り、特定抗争指定により暴力団としての動きが封じられているので、両陣営の生き残りをかけた深謀遠慮の応酬がどのような最終局面を導くのか、注目されるところだ。