創業123年のカゴメは、2025年までに“トマトの会社”を脱却し、“野菜の会社”になると表明しました。なぜ、自社の強みである“トマト”から脱却するのでしょうか。実は近年、企業ブランドの刷新が相次いでいます。その裏にある戦略を探ってみましょう。(グロービス ファカルティ本部テクノベートFGナレッジリーダー 八尾麻理)
「カゴメ」だけじゃない!
有名日本企業でリブランディングの嵐
カゴメに続き、ヤマトホールディングス、富士通、バンダイナムコ…。下表に並ぶこれらの企業は、ここ数年の間にブランド刷新(以下、リブランディング)を発表した主な企業です。
例えば、コロナ禍で社会インフラとしての重要性が一層増した物流業界では、クロネコマークのヤマトホールディングスが、企業シンボルの新解釈を進めると同時に、物流の未来を切り拓く意思を表明した新たなロゴを制定しました。また、富士通も、ブランドアイデンティティー全般を再定義。新たなサステイナブルブランドを発表しました。
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中でも、カゴメは、2025年のビジョンとして“トマトの会社から野菜の会社に”を掲げています。創業以来の強みである“トマト”からあえて脱却すると表明しているのです。
なぜ、カゴメは誰もがブランドから想起するトマトのイメージを自ら覆すことを選んだのでしょうか。