片づけられない人たちの“最後の欠け込み寺”として有名なカリスマ片づけアドバイザー・石阪京子先生の『一回やれば、一生散らからない「3日片づけ」プログラム これが最後の片づけ!』は、在宅ワーク化や災害対策などの備蓄も必要となってさらにモノが増えがちなwithコロナ時代の家の片づけ方を書いた話題の書。本書のメソッド通りに片づければ最低3日あれば家一軒がまるごと片づいて、リバウンドしません。この連載では、本書の一部を抜粋しながら、石阪メソッドをご紹介します。
散らかっていると、何をするにも時間がかかる
家が散らかっていると、モノを探す時間が増えるし、家事をするのも大変なので、時間を無駄使いしてしまうというのは、なんとなく想像がつくと思います。
でも、「それはゴミ屋敷レベルの話でしょう? うちはそこまで散らかってないし」と思っていませんか?
ところが、汚部屋じゃないけれど出しっぱなしのモノが常にある“そこそこ散らかっている”環境に暮らす人も、ものすごく散らかっている環境で暮らしている人と同じぐらい時間を損していることが多いんです。
“そこそこ散らかっている”部屋では、イライラしつつも洗濯物を干せたり、時間は多少かかっても食事の支度ができたり、ルンバは走らせられないけれど、丸く掃除機はかけられたりします。ちゃんとやれば、片づけも家事もできるので、改善する必要性がないと思っておられることが多いでしょう。
でも、片づけた上で、本書で紹介している家事の時短テクを使えば、1日3~4時間は浮くと思います。家事で疲れることも減るので本当に時間が増えますよ。
「時間」の枠を意識すると、時間の無駄使いがなくなる
私は本書で「枠を意識してください」と、くり返しお伝えしてきました。
この「枠の意識」というのは、収納だけではなく、実は時間にもあてはまるのです。
人って、悲しいけれど必ず死にますよね。そこには、生きている時間という、大きな枠があります。それだけではなく、子どもと遊べる時間、旦那様と過ごせる時間、家族で食卓を囲める時間など、すべてが限りある大切な時間です。
私の母は、すごくアクティブで、市民講座で中国語をマスターして通訳の仕事を始めたり、50代でマウンテンバイクのレースに出場したり、60代で始めたベンチプレスでは、日本記録を出したりするほど、常にパワフルで、元気いっぱいの人でした。
なので、ずっとそのままだと、のんきに思っていました。
でも、65歳の時にパーキンソン病と診断され、今は介助が必要な生活を送っています。
義母も、私が26歳でお嫁入した時は、かろうじて支えがあれば立つことができましたが、次第に立てなくなり、2、3年後には、寝返りを打つこともできなくなっていきました。
お見舞いにきた同級生が旅行に行った時の話などをされると、笑って聞いていましたが、活発な母にとっては、とても無念だったと思います。
悲しくて悔しいことですが、それまで元気だった人でも、自分の意思ではどうしようもない身体的な変化が起こることが現実にはあるのです。
時間という枠を意識するようになると、時間のありがたみがよくわかります。
反対に、時間の枠を意識していないと、何をするにも無計画になります。仕事も家事も、枠を決めずに取り組んでいると、ずるずる延びていってしまいます。
私は生徒さんに「15分リセット」をお願いしていますが、それは、「15分あれば、どれだけのことができるか」ということを、知ってもらうという目的もあるんですよ。たった15分でも、時計を見ながら取り組んでいると、意外とたくさんできることがあることに気が付くと思います。時間という枠を意識する練習でもあるんです。
日々の暮らしの中で、時間の枠を意識し、ありがたみを持って過ごしていく。それが、時間そのものを増やすとともに、人生を豊かにしてくれる秘訣だと思います。
*本記事は、「一回やれば、一生散らからない『3日片づけ』プログラム これが最後の片づけ!」から抜粋・編集したものです。また、金融機関や保険会社などの書類など「紙」に特化した片づけ方は、「人生が変わる紙片づけ!」でもさらに詳しく解説しております。