いよいよ年末。2022年はどんな1年だっただろうか。「上司に悩まされた」「部下に悩まされた」「同僚やクライアントに苦しめられた」、それぞれいろいろあっただろう。ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するもの。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。
「らしくない仕事」をやらなかったか?
「ブランド人」という言葉が浸透して久しい。
会社名より、自分の名前で勝負できる人を指す言葉だ。
「ブランド人」というと、「SNS上でフォロワーが多い人」「キラキラした人」「ブイブイ言わせている人」をイメージする人も多いだろう。
でもそれは違う。
ブランド人とは、「信用と期待を持たれている人」のことだ。
「あの人なら大丈夫」という信用と「なにかワクワクするようなことをしてくれるだろう」という期待。
それがあるから「個」で立てる。
一目置かれる存在になれる。
これは接客でも営業でも、どんな仕事でも同じだと思う。
2023年は「自分に妥協」してはいけない
僕は、30代に入ったくらいから、会社から離れても生きていけるように、自分をブランド化しようと考えてきた。
そのためには、自分の「おもしろい」には妥協してこなかった。
これは「おいしい」に妥協しないケーキ屋の主人と同じで、味見してピンとこないケーキは世に出さないことが、ブランドになると考えたからだ。
「ケーキ屋」は「とんかつ」を出してはいけない
「自分らしくない」仕事もできるだけ避けてきた。
たとえばケーキ屋なら、とんかつを出してはいけない。
とんかつをつくれるかもしれないけれど、とんかつ屋ほどはうまくない。
そんな店がとんかつを出したら評判が下がって、ケーキ屋として期待されなくなってしまう。
いまフリーランスとして多くのお声がけをいただいているのは、こうして貯めた信用と期待の結果かもしれない。
「仕事の成果」以上に大事なもの
また、自分ブランドに必要な「信用」は、じつは仕事の成果によるものだけじゃない。
佐久間宣行なら佐久間宣行という「人間そのもの」への信用も欠かせない。
どれだけ仕事ができても、人間性に難があると、いざというとき人は離れる。
フリーランスになってからたくさんの人に応援してもらえているのは、僕がこれまでだれかを脅したりせず、その人のやりたいことを叶えたり魅力を伝えたりと、ポジティブなものづくりに徹してきたからだと思う。
人を追い込む笑いが好きでないのは根っからの性格だけど、「人を踏み台にしない人」という「ブランド(信用)」が、僕に貯まっていたのかもしれない。
「できる人」は積み重ねを大事にする
自分ブランドは一朝一夕でできないけれど、失うのは一瞬。
企業ブランドがそうであるように、「がっかり」されれば一気にそっぽを向かれてしまう。
今日の仕事と振る舞い、その積み重ねが信用と期待につながっていく。
結局、仕事と他人に誠実であることが、いちばんのブランドづくりなのだろう。
※本書には、この他、来年に向けて準備したい、仕事に関する多くの技や心構えが収録されています