片づけられない人たちの“最後の欠け込み寺”として有名なカリスマ片づけアドバイザー・石阪京子先生の『一回やれば、一生散らからない「3日片づけ」プログラム これが最後の片づけ!』は、在宅ワーク化や災害対策などの備蓄も必要となってさらにモノが増えがちなwithコロナ時代の家の片づけ方を書いた話題の書。本書のメソッド通りに片づければ最低3日あれば家一軒がまるごと片づいて、リバウンドしません。この連載では、本書の一部を抜粋しながら、石阪メソッドをご紹介します。
片づけが一番の効能は「家族の仲がよくなること」
「片づけをして人生がうまくいった、一番すごい人を教えてください」と聞かれたら、私はやっぱり、夫婦仲がよくなった人を挙げると思います。
すごくお金持ちになったとか、出世したとか、そういうことも素敵ですが、夫婦仲が円満になって、家族の笑顔が増えることはとても幸せなことではないでしょうか。
家を片づけることは、一緒に暮らす人への思いやりでもあるんですよね。家を使いやすく改善するというのは、自分のためだけではなくて、相手の希望も聞いて、寄り添うことでもあります。
私の片づけは、いらないモノを探す片づけではありません。本当に必要なモノだけをピックアップし、それを使いやすくするために、家を整えるのです。
ですから、単にモノを捨てるだけでは終わりません。やたらめったら捨てまくるとか、そういう殺伐とした片づけは、まったくいいとは思いません。「モノを捨てたら幸せになれると思っていたのになれません。先生、どうしたらいいんですか」と、泣きながら相談してくる方もたくさんいます。
いらないモノ探しをすると他人のモノばかりが気になる
いらないモノ探しをしていると最初は旦那様や他の家族のモノばかりが気になります。
「これもあれも、旦那のもんだわ。いらん、いらん!」というように。
でも、本当に自分が必要なモノはなんだろうとまずは自分のモノからピックアップしていくと「あれ、思ってたより私のモノが多いなぁ」と気付くんです。そうすると、「これ捨ててよ!」と、旦那様に対して怒っていたのが、「ここの空間をあなたの場所にしてつりの道具をしまってみては? 大切なモノだもんね」と相手を思いやる言葉が自然と出てくるようになります。片づけをすることは、一緒に暮らす人への思いやり、愛情表現なのです。
旦那様のほうも、今まで文句ばかり言われていたのに、なんか優しくされるようになったなと、思うようになります。「俺、ローンも払ってるのに、なんでこんな冷たくされなあかんねん」という状況だったのが、片づけをする過程で、自分が認められている、愛されていると、感じられるようになってきます。
そして、片づけを終えて、自分の家のビフォーアフターを見ると、心のガサガサが一気に取れていきます。「ぐちゃぐちゃのキッチンで不満ばかり言ってたんだ」と、ハッと気付き、その後は家族との関係性がどんどん好転していきます。子どもも、変わっていく両親を見ているから、穏やかな気持ちになり何も言わずとも、すごくうまく家庭が回り出すようになることが多いのです。
片づけの過程において思いやりを出し合っていくと、少しずつ少しずつ、家族仲がよくなっていきます。そして、片づいた後も暮らしの基盤が整っているから穏やかに暮らせるようになります。“大切なモノを選び抜く”片づけは、愛情を伝えやすくし、夫婦仲もよくなる。家族の笑顔も増えるんです。
*本記事は、「一回やれば、一生散らからない『3日片づけ』プログラム これが最後の片づけ!」から抜粋・編集したものです。また、金融機関や保険会社などの書類など「紙」に特化した片づけ方は、「人生が変わる紙片づけ!」でもさらに詳しく解説しております。