マンション価格高騰中に「売買で損しない」秘訣とは?重要論点を総ざらいPhoto:PIXTA

多角的な視点から、個人が「良い物件」を選ぶための指針を徹底指南する本連載。2022年最後の回となる本稿では、重要な論点やこの1年間で特に読まれた記事を振り返りつつ、不動産投資で「損しない方法」を整理していきたい。今年はマンション価格高騰に拍車がかかったが、その状況下で「もうかる物件」を見抜く方法はあるのか。また、せっかく買った物件で「住民トラブル」が起こるリスクを低減するポイントとは――。(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)

マンション価格が高騰する中で
「取引で損しない方法」を整理する

 2022年のマンション市場は新型コロナウイルス感染拡大に加えて世界情勢不安が重なり、動乱の1年だったと言ってもいいだろう。今回は本連載のうち、重要な論点やこの1年間で特に読まれた記事を振り返りつつ、不動産投資で「損しない方法」を整理していきたい。

 今年はロシアのウクライナ侵攻が始まり、世界平和が当たり前のものではないと気付かされた。物価は高騰し、生活の先行きについても見通しが悪くなった。そんな中、マンション購入することにためらう人もいた。

 しかし本連載では、金融緩和の影響で、マンション価格は将来4年にわたって値上がりする可能性が高いと何度も説明してきた。

 足元では、物流の混乱や円安に端を発する物価高の影響がマンション価格にも表れている。ただでさえマンションは高額な買い物なので、値上がり幅が大きいのは当然だ。

 この状況を踏まえて、これまでの日本では金利を上げない方針が継続されてきた。現状の超低金利を生かすには、住宅ローンを借りてのマンション購入は効果的な手段である。高額な買い物だからといって、尻込みして先送りしてもいいことはないといえる。

 心を決めてマンションを購入するならば、価格の動向について、より詳しく知っておく必要があるだろう。

注:本稿執筆後の12月20日に、日本銀行から金融緩和の縮小が発表された。変動金利は影響を受けないとみられるが、今後は長期金利の上昇に伴って固定金利が上がるなど、状況が変わる可能性がある。