就活生必見!“安定志向”で就職する時代は終わる「食品業界」の採用動向Photo:Diamond

*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2023」の「親子で学ぶ注目業界完全ガイド」を転載し、一部加筆したものです。

就活で欠かせない業界・企業研究。本誌では注目16業界の現状と課題、求められる人材像を分かりやすく解説していく。第14弾は「ニューノーマルな暮らしを豊かにする業界」として、「食品業界」を取り上げる。(ダイヤモンド社 ヴァーティカルメディア編集部 松野友美)

食品業界は「安定」から
「競争と変革」へ

 食品業界といえば、製品やサービスの安心・安全を追求し、安定している業界とみられてきた。しかし、20~30年先の未来に不安がないわけではない。

 大きな不安は人口減少だ。“胃袋が減る”ため、競争環境は厳しくなるだろう。すると、既存の事業で利益率を上げることが各社共通の課題となる。

 そもそも日本の食品は価格が安く、利益率は海外メーカーの半分以下のことが多い。間接コストの削減は限界に近いため、値上げを含む対策が必要だ。

 大和証券の守田誠シニアアナリストは、「この先元気なのは、各ジャンルで1位、2位のシェアが高い企業。それ以外の企業は、新しい経営の方向性を考える必要がある」と指摘する。

 シェアが高くなくても成長する道はある。特に中小企業では、主力をニッチ事業に切り替えられるかどうかにかかっている。