プレミアムが付く商品や
高付加価値商品の開発にチャンス

 ニッチ事業は、プレミアムが付くような人気商品を生み出しやすい。また、既存の配送網や生産拠点にこだわらずとも、Eコマースを活用すれば、少額の投資で新たな販路を開拓できる。

 高付加価値商品の開発も良い。特に、商品に健康スコアを付けようとする機運には注目だ。これは、商品単体だけでなく、メニュー全体で健康寿命を延ばそうとする考え方で、機能性表示とは違う。産官学で定義付けを始めている。

 食品業界を志す学生が将来性の高い企業を選ぶには、海外構成比率が高い会社を探すのがポイント。そのような企業は、日本市場を縮小均衡で維持しつつ、海外事業を伸ばすことでバランスのいい経営を実現できるはずだ。

 海外事業は、原料調達や製造に関わってくるため、海外事業を延ばせなければ、日本での均衡は保てなくなるともいえる。

 この先、海外企業の買収やグループ本社化など、事業の在り方を変革する企業が増えるだろう。大胆な変化を目前にして、業界ではこれから、行動力や柔軟な発想を持つ人材が求められるはずだ。

【ここにも注目!】日本水産が得意とする養殖事業は、今後、世界的な課題となるタンパク質不足や天然資源の枯渇に対応できる。また醤油を生産するキッコーマンは、製品の販売を通して「文化を世界に広げる」レベルにまで成長している。