入眠2時間以内のノンレム睡眠時に、成長ホルモンが大量に分泌される。成長ホルモンには骨や筋肉を成長させるほか、疲労回復や肌のターンオーバーの促進などの働きがある。入眠直後にしっかりとノンレム睡眠に入ることができれば、しっかりと疲れがとれ、健康維持や美容促進にもつながる。

「やる気が出ない」という状態にも、睡眠が関わっている。理解、判断、思考などの認知機能を司るのは、大脳の前頭前野である。前頭前野はほかにも記憶力や集中力、やる気などに関わる働きをしている。睡眠の質が下がると前頭前野の働きが低下し、生産性が低くなってしまう。また、睡眠時間が短いと、セロトニンやオキシトシンなどの脳内物質が正常に分泌されず、気分の落ち込みを招きやすくもなる。

【必読ポイント!】
◆理想の目覚めが熟睡につながる! 朝の快眠習慣
◇朝1分の「ビジョン瞑想」で1日が変わる

 朝目覚めてから、布団から出る前の時間は、よりよい1日を過ごすために重要だ。起きたばかりでまだぼんやりしている状態の脳は、やりたいことに対して否定的なブレーキが働きにくいため、イメージを潜在意識に取り込みやすい状態にある。この時間に「ビジョン瞑想」を行うことで、1日を気分よくすごすことができる。ビジョン瞑想のやり方は以下の通りだ。

 まず、目覚めたばかりの状態で、自分の感情に素直になって、心からワクワクできることをイメージする。「プロジェクトリーダーになってイキイキと活躍している」「大金持ちになって船で海外を旅行している」と少し大きめのビジョンを描くとよい。否定的なイメージはしないこと。ネガティブなイメージを持つと、潜在意識がそちらへ引っ張られてしまう。

 瞑想は1分程度行う。二度寝をしてしまわないよう、アラームをかけておくとよい。ビジョン瞑想が終わったら、目を開け、手足を握ったり開いたりする、声を出すなどして、少し目が覚める動作を行う。

 ビジョン瞑想のポイントは、見える風景や人の顔、聞こえる声や言葉、感情をできるだけはっきりとイメージすることだ。これにより、潜在意識にビジョンがインストールされ、自然と気分がポジティブになる。

◇起きてすぐにコーヒーを飲んではいけない!

 身体には一定のリズムがある。睡眠と覚醒、血圧、体温、ホルモン分泌の変動は24時間周期になっている。この体内リズムが乱れると体調不良を引き起こし、パフォーマンスが下がってしまう。体内リズムを整えるには、どのように目覚めて朝を過ごすのかも重要だ。そのためのポイントを紹介しよう。