*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2023」の「識者に聞く!『不確実性』時代を生き抜く知恵」を転載したものです。
ジョブ型雇用の導入や検討を進める企業が増えるなど、雇用を巡る環境や制度が大きく変わろうとしている。今後、働き方はどう変わるのか。どのように就活と向き合っていけばよいのか。企業の人材マネジメントに詳しい野村総合研究所の武田佳奈氏が、「働き方」という視点から、就職活動に入る前に考えたいポイントを提言する。(取材・文/奥田由意)
日本企業に独特の
採用・雇用形態に変化
少子高齢化による労働力不足と人口高齢化に基づく高年齢者雇用延長への国からの要請などから、多くの日本企業で再雇用制度の導入や定年延長の議論などが進んでいます。
テクノロジーの進歩や、グローバル化の進展等で、事業の競争優位の持続期間が短くなり、企業では頻繁な変革が必要となり、個人でも働く上でのスキルの継続的なアップデートが求められています。
こうしたことを背景に、新卒一括採用・年功序列・終身雇用など、日本企業に独特の採用・雇用形態に変化が生じています。
年齢や勤続年数を問わず、仕事での成果やそこに至るプロセスを評価する「成果主義」にシフトする企業が増えてきています。
従来のメンバーシップ型雇用から、ジョブ型雇用へ移行する企業も出てきました(下図参照)。
しかし、日本全体の制度が一気に変わるわけではありません。雇用等に関する制度の変更は、労働組合など、現在働いている人々の合意が必要なケースが多く、簡単ではないからです。
現在の形がある程度維持されながら、個々の制度は少しずつ更新されていく、と私は見ています。
では、仕事上でのスキルの磨き方や研修はどうなるのでしょうか。