時期によって異なる
インターンシップの位置付け

 そうなると、就業体験をしてみたい志望企業・業界ばかりに意識が向くのは当然だろう。そういう学生ほど、特定の企業・業界のインターンシップにしか目を向けない。自分の興味があるものにしか関心を持たないと、まだ知らない魅力的な企業に出会えるチャンスを逃してしまう。

 なお、企業にとっては時期によってインターンシップの狙いや位置付け、内容はやや異なる。

 大学3年生に向けた夏のインターンシップは、比較的長めで就業体験型が多い。人事部の手が空いていて準備がしやすく、学生も夏期休暇で参加しやすいためだ。それに対して秋インターン、冬インターンでは短期の説明会・セミナー型が増える。多くの企業は年度末に向けて業務が忙しくなり、採用活動もピークに差しかかるからだ。学生も期末試験などがあり、お互いじっくりインターンシップに取り組む状況ではなくなる。

 これらを踏まえると、就活生は基本的に夏のインターンシップに照準を合わせ、6月頃に始まるインターンシップ説明会から動くべきだろう。夏のインターンシップはある程度時間に余裕があるので、業種や職種にかかわらず、幅広く参加してみるといい。

 一方、秋・冬のインターンシップは短期型が増えるから、「インターンシップ=就業体験」という発想にこだわらず、希望する業界・企業を優先するとよいだろう。

 インターンシップの捉え方、向き合い方が、就活の成否を大きく左右するのである。

*(下)は5月17日に公開予定です。