1日を快活に過ごすには遅起きがいい可能性、逆に「最悪な朝食」とは?Photo:PIXTA

 朝、気持ち良く目覚めて1日を快活に過ごすためには三つの鍵があることが、新たな研究から明らかになった。前日に運動をして、いつもより少し遅めに起き、炭水化物が多めの朝食を取ると良いようだ。これらの3因子は、朝の覚醒レベルにそれぞれ独立した関連があるという。米カリフォルニア大学バークレー校のRaphael Vallat氏らの研究によるもので、詳細は「Nature Communications」に11月19日掲載された。

 広告などでは、しばしば朝食のシーンとして、砂糖で甘くしたシリアルがテーブルに並んだ映像が登場する。ただ、砂糖などの単純糖質ばかりの食事は、1日のスタートには最悪のようであり、Vallat氏は、「摂取後に血糖値を急激に上昇させる食品は避けた方が良い」と話す。

 覚醒レベルが低い状態では労働生産性が低下し、労災や交通事故のリスクの一因ともなる。Vallat氏らは、起床後の覚醒レベルに影響を及ぼす生活習慣と遺伝的な影響の検討を行った。研究対象は、340人の一卵性双生児、134人の二卵性双生児、および359人の非双生児、計833人。平均年齢46.20±11.93歳、男性28.0%、BMI25.83±5.12、臥床時間7.66±0.80時間。

 研究参加者には、2週間にわたって加速度計と連続血糖測定(CGM)センサーを装着して生活してもらい、その間、全ての食事の摂取量を専用アプリに保存するとともに、覚醒レベル(0~100のビジュアルアナログスケール)を記録してもらった。なお、朝食は研究者が用意した高炭水化物食、高タンパク食、高脂肪食などを支給した。このような手法についてVallat氏は、「この領域の研究はこれまで研究施設内に宿泊してもらい行うことが多く、実生活に即した結果を得ることが困難だった。それに対して今回の研究では、リアルワールドでのデータを得ることができた」と述べている。