大量のコレクションを
トラブルなく整理する方法

 近年の片づけブームもあり、部屋の整頓=モノを捨てる、ということが重視されがちだが、「捨てる」もいきすぎると大きなもめ事になりかねない。

「よくあるのが、夫のコレクションを妻が勝手に売ったり、妻のモノを夫が勝手に捨てたり、というトラブル。相手の許可なくモノを処分するのは信頼関係が傷つくだけで、なんの効果もありません。どうしても邪魔に感じるモノは倉庫や押し入れなど目に入りにくい場所にいったん移動させ、生活がどれほど改善されたか、相手に実感してもらうプロセスを踏むことが大切。半年間押し入れにしまって特に生活に支障がないようなら、改めて必要かどうか相手に提案してみるなどワンクッションおいて相談しましょう」

 米田さんによると、人が保有するアイテムは1人平均1500点と言われているという。なかでも趣味に関するものは10%程度、つまり趣味のアイテムが150点以上あるようなら、それは明らかに持ちすぎなわけだ。限度を超えたコレクションはどうすればいいのだろうか。

「たとえばフィギュアやキャンプグッズなどコレクションが増えすぎて奥さんに怒られてしまう…という方は、同じ趣味の友人を家に招いてみてはどうでしょうか。一緒にコレクションを厳選し、なんとなく持っているグッズなどは友人に譲る、という方法を取れば気持ちよく手放すこともできるはず」

 また、意外にもパートナーの収集癖にいら立っているのは、女性だけではないようだ。

「夫婦の片づけトラブル」どう防ぐ?無理なく整理整頓できるルールとは米田まりなさんの著者が好評発売中。『あの人にイライラするのは、部屋のせい。』(PHP研究所)

「片づけられない妻にイライラする、という夫側の意見って実は結構多いんです。特に女性は洋服や靴、インテリアグッズなど端から見ると似たようなアイテムを多く持っていることも。ただ、それを一方的に責めるのでは関係に傷がつきますよね。オススメなのは写真をたくさん撮ってあげること。客観的に見る、というのが片づけにおいては非常に重要なので、たとえば妻のコーディネートを何枚も撮っていれば、同じような服ばかり持っていることに気づくキッカケになります。

 インテリアも同様で、自分の目で見ている分には平気でも、写真や動画で客観視すると生活の邪魔になっている、形や色が目立ちすぎているなど、違和感を持つ場所は必ずあるはず。『なんで片づけないの?』と責めるのではなく、話し合うということが大切です」

 SNSなどでインテリア情報が過剰に目に飛び込んでくる昨今、「理想の部屋づくり」のハードルはどんどん上がっている。まずはパートナーとおのおのの欲求を見たし、心安らかに暮らせるための部屋づくりとはどんなものなのか、じっくり話し合うところから、始めてもいいかもしれない。