「アンコンシャス・バイアス」という言葉が、最近ようやく見聞きされるようになってきました。日本語にすると「無意識の思い込み」という意味です。「思い込み」と聞くと、「自分は関係ない」「頭の固いオヤジが持っているもの」などとイメージする方も多いかもしれませんが、それこそ、「アンコンシャス・バイアス」です。会社や家族に向けて無意識のうちにとっている言動が、実は、知らぬ間に人を傷つけたり、不愉快にさせたりするのです。そこで今回は、300万部を超えるベストセラー『女性の品格』(PHP研究所)の著者・坂東眞理子さんの最新刊『思い込みにとらわれない生き方』より、「アンコンシャス・バイアス」にとらわれずに生きるためのヒントを紹介します。
そもそもアンコンシャス・バイアスとは何か?
「アンコンシャス・バイアス」とは、「無意識の思い込み」のことを指します。これは、人間誰もが持っているもので、良い・悪い以前の事実です。大切なのは、「私もアンコンシャス・バイアスを持っている」という認識をまず持つことです。精神分析で有名なジークムント・フロイトは、人間は、理性的な存在ではなく、自分で意識していない過去の経験によってつくられた潜在意識を持ち、無意識に動かされていると提示し、近代の人間観に大きな影響を与えました。
私たちがとらわれている思い込み、具体的にアンコンシャス・バイアスとはどんなことを指すのでしょうか?例えば、有名大学を出た人だから、優秀で頭がいい。頼りなさそうな男性でもいざという時には頼りになる。男の子はオクテだがあとでのびる、女の子はあとでのびない。関西人は面白い人が多い。女性なのにラグビーをやっているなんて、女らしくない。家事や子育ては女性がやるもの……。