今季は4年生の充実ぶりが著しい。彼らが1年生のとき、「この代が4年になったら、いいチームになる」と監督は予言していた。彼らは期待に応えたのである。それでも最上級生が安寧としている雰囲気はなく、ポジション争いは実に激しい。

 エース・加藤孝太郎を筆頭に投手陣は粒ぞろい。最上級生の清水大成、伊藤大征、齋藤正貴、ユエン賢。3年生の鹿田泰生、中森光希。抑えの切り札として活躍した伊藤樹は2年生となる。

 その球を受ける捕手の層も厚い。昨季、マスクをかぶり続けた強打者・印出太一もうかうかできない。栗田勇雅、吉田瑞樹が強肩ぶりとリードを磨き。着々と力を付けている。

 内外野のポジション争いにも活気がある。堅守を誇る内野手の熊田にさえ、「少しでもたるんだ動きをしたら代える」と監督は明言している。ここに、はつらつとした1年生たちが加わる。

コーチに金森栄治が就任した意味

 さらに、チームにとって明るい話題がある。打撃コーチに金森栄治が就任した。

 金森はバッティングの職人である。

 1975年早稲田大入学。捕手を務め、4年時には首位打者。リーグ戦通算32試合出場で打率は実に.402。卒業後にプリンスホテル入りし、プロでも大活躍した。